AOI
BREWING

思いが実ったのか、神様が見ててくれたのかー

ー福島英紀さんインタビュー

今回は現在復活に向けて動く静岡市葵区のAOI BREWINGを取材した。インタビューに答えてくださったのは、AOI BREWINGのブランドを承継した福島英紀さん。2月の事業停止から今回の承継、そしてAOI BREWING復活に向けて、貴重なお話を伺うことができた。

インタビューに答えてくださった福島さん

 12年前に静岡市内のビアパブ・グローストックでスタッフになった福島さん。そこで「ヒューガルデンホワイト」というベルギーのホワイトビールに出会い、衝撃を受けたそう。その後はクラフトビールフェスティバルなどで日本のクラフトビールの面白さ、作り手の魅力を知り、クラフトビールにのめり込んでいく。

 2014年に前運営会社のもとでAOI BREWINGが醸造を開始した。当時、前運営会社の系列店であるグローストックのスタッフだった福島さんは自ら志願してAOI BREWINGのオープニングスタッフになったそう。醸造所内へのタンクの運び込みなどもスタッフ総出で行った。

──作り手の魅力が伝わるのがクラフトビールの良さ。ブリュワーの思いを届けたい、という気持ちで醸造所を運営していきたいです。

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2021年2月、以前の運営会社の破産申請を受けてAOI BREWINGが事業を停止した。福島さんは突然の事業停止の知らせに驚きと同時に無力さを感じたという。6月に醸造所が競売にかけられ他の大きな会社なども手をあげる中、締め切りの1週間前までどうするか悩んでいた福島さん。しかし、グローストック常連客からの復帰を望む声や、以前のAOI BREWINGのスタッフから「福島さんがやるならアオイに戻って働きたい」との声を受け、彼らのように支えてくれる方々の思いに応えたいという気持ちで事業再生を決意した。これらの後押しや両親の応援などもあり、今回の引き継ぎに至ったという。

──(福島さんが競売を経て承継者として決まり)なんとかその思いが募ったのか、実ったのか、神様見ててくれたのか。うん、こういう結果になってよかったなと思いますね。

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 クラフトビールの製造にかかわる上でのこだわりや、目指していることについて伺った。価格を抑え、手に取ってもらいやすくし、地元の農産物や季節感のあるもので静岡の魅力を伝え、地元に愛されるビールにしていきたいと考えているという。地産地消や地元企業とのコラボレーションができたら、とも語っていた。あくまでも静岡の地でだけ味わえるビールを目指し、他の都市へ売り出すことは考えていないという。加えて、流行よりも、飲み飽きないクラシックなヨーロピアンスタイルを軸にしていきたいとのこと。

——味噌汁みたいなビールにしたいです、毎日当たり前に飲まれて、地元静岡の人に愛されて、飲み飽きないものになったらいいなと思います。

「クラシックなヨーロピアンスタイル」や、地域に密着したビールとして確立していきたいということは以前からのコンセプトでもあったため、これらに関してはこれからも引き継いでいきたいと考えているそう。

 一方、新たに挑戦していきたいことについて教えていただいた。取材をした私たちもそうであったように、ビールを「苦いもの(=苦手)」だと考えてしまっている若者もいる。そのような層にアピールしていきたいとのことだ。

——若者が最初に飲むビールがアオイのもので、それが静岡の魅力や誇りになったら嬉しいですね。

 今後は大学生向けに醸造所の無料見学ツアーも行っていきたいとのこと。

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